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どこの国、都市が一番自転車に優しいのか、気になりますが実際は難しく、デンマークとオランダはお互い世界一位と主張していますが、決着はしておりません。過去のデータだとコペンハーゲンがトップという物が多いですが、最新の順位データはありません。
ヨーロッパ域内、デンマークの各都市でさえ、インフラの定量的なデータが整備されていない状況のため、厳密な順位付けは不可能という前提があります。
ECF Cycling barometer
そんな中で、比較的信頼できるデータが欧州自転車連盟 ECFが集計したECF Cycling barometerです。
最新の情報は2016年の物ですが、EU各国の自転車利用環境を総合的に調査して比較した結果があります。検証可能なEU全体の調査を5回実施し 、EU加盟国における自転車利用に対する異なる扱いを排除して、できるだけ公正に比較できるデータで作成されたランキングです。
1位デンマーク、2位オランダ、3位スウェーデンです。
https://ecf.com/resources/cycling-facts-and-figures/ecf-cycling-barometer
The World’s Most Bicycle-Friendly Cities
新しいデータだと、Lukoの自転車都市インデックス2024年がありますが、保険会社の集客用のリリース記事なのでしっかり計測されているかは不明ですが、主要な自転車都市がカバーされています。
90都市のみを対象としており、世界の主要都市の一部しかカバーしていない。選定基準は「自転車インフラ改善に積極的な都市」という主観的な要素が含まれています。
このランキングではコペンハーゲンは4位です。
上位都市の規模。コペンハーゲンは最大の人口で、面積はミュンスターが最大です。
都市 | 人口 | 対コペンハーゲン比 |
---|---|---|
コペンハーゲン | 1,391,200 | 100% |
アムステルダム | 1,181,820 | 85% |
アントワープ | 1,061,090 | 76% |
ユトレヒト | 570,636 | 41% |
ミュンスター | 303,772 | 22% |
面積比較
都市 | 面積(km²) | 対ミュンスター比 |
---|---|---|
ミュンスター | 303.3 | 100% |
アムステルダム | 219.3 | 72% |
アントワープ | 204.51 | 68% |
ユトレヒト | 93.77 | 31% |
コペンハーゲン | 88.25 | 29% |
6つの主要パラメーター
・自転車利用者の割合
・気象条件
・犯罪と安全性
・インフラ整備
・シェアサイクルの機会
・カーフリーデーなどの特別イベント
https://www.statista.com/chart/18206/most-bicycle-friendly-cities-worldwide/
2024’s Best Places to Bike
アメリカのPeople For BIkesも毎年アメリカと世界の自転車利用環境ランキングを出していて、2024年は以下のようなランキングになっています。
少なくともフランス パリがトップグループに入っている時点でしっかり調査されていないので、あまり参考にしない方が良いです。パリは急速に自転車環境の整備が進んでいますが、パリ市内の交通手段における自転車の割合は11.2%。東京よりも低いですし、50%に近いコペンハーゲンやアムステルダムとの差は大きいです。
2024年のパリの様子。実際に走ってみても、幹線道路は自転車専用レーンが整備されていますが、少し入ると未整備でコペンハーゲンやアムステルダムと並んでいるとは言えません。街の規模が全く異なるので、比較すること自体に無理もあります。
評価基準は、安全な速度、保護された自転車レーン、自転車と歩行者用のスペースの再割り当て、交差点の処理、ネットワーク接続、信頼できるデータとのこと。
https://www.peopleforbikes.org/news/2024-best-places-to-bike
2024’s Best Places to Bike International Cities
- The Hague, Netherlands: 89
- Brussels, Belgium: 87
- Paris, France: 87
- Lyon, France: 86
- Utrecht, Netherlands: 86
- Leuven, Belgium: 85
- Munich, Germany: 85
- Amsterdam, Netherlands: 85
- Almere, Netherlands: 85
- Eindhoven, Netherlands: 85
The bicycle capitals of the world:Amsterdam and Copenhagen
アムステルダムとコペンハーゲンを直接比較したVelo-city2010のタイミングで作成された文献。
両都市の交通手段の分担率
コペンハーゲン
- 自転車:32%
- 公共交通:15%
- 自動車:26%
- 徒歩:24%
- その他:3%
アムステルダム
- 自転車:28%
- 公共交通:18%
- 自動車:27%
- 徒歩:24%
- その他:3%
特徴的な違い
コペンハーゲン
- より規律正しい自転車文化(90%以上が赤信号で停止)
- スポーティーな乗り方が特徴
- ヘルメット着用者が多い(約6人に1人)
- 通勤者が中心
アムステルダム
- より柔軟な自転車文化
- リラックスした乗り方
- 幅広い年齢層や目的での利用
- より自由な運用を許容
インフラの特徴
コペンハーゲン
- 338kmの自転車専用道
- 主要幹線道路に沿った自転車レーン
- 車道と自転車道の間に段差のある設計
アムステルダム
- 400km以上の自転車専用道
- より多様な形態の自転車道
- 住宅地を通る経路も充実
まとめ
ここが1位と言う評価はありませんが、様々なレポートを見てみると、デンマーク コペンハーゲンは世界トップレベルの自転車環境と言えます。