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デンマークの自転車走行距離の全体的なトレンド
デンマークにおける自転車・原付(30cc以下)の走行距離は、1990年から2023年にかけて全体的に減少傾向を示しています。1990年の3.43億kmから2023年の2.90億kmまで、約15%の減少が見られます。
時期別の特徴
- 1990年代前半
- 最も高い走行距離を記録(3.43億km)
- 3.2億km以上の高水準を維持
- 2000年代
- 比較的安定した推移(2.8-3.0億km台)
- 2010年に過去最低の2.62億kmを記録
- 2010年代以降
- 2014年に一時的な回復(3.27億km)
- その後は2.8-3.0億km台で推移
- 2022年に3.07億kmまで回復するも2023年に再び減少。この年はデンマークでツールドフランスが開催されて、非常に自転車が盛り上がった年。
統計的特徴
- 平均走行距離:3.02億km
- 最高値:3.43億km(1990年)
- 最低値:2.62億km(2010年)
- データの変動幅:0.81億km
注目すべき点
- 2017年以降のデータは自転車指数の年間変化に基づいて計算
- 2009年と2010年のデータは拡張されたTU調査に基づく
- 次回の更新は2025年2月の予定
この統計は、デンマークにおける自転車・原付の利用パターンの長期的な変化を示す重要なデータとなっています。
非常に整備された自転車環境のデンマークですが、長期トレンドでは走行キロが減少していることが興味深いです。走りやすければ自転車に乗る人が勝手に増えて行くわけではないということを意味していると考えられます。
走行キロは人口で除すると人口当たりのキロ数が出ますが、デンマークは人口増が続いているため一人当たりの自転車走行距離はさらに減少傾向です。
1990年は 66km/人に対して48km/人と27%減少しています。
以下デンマークの人口推移。
利用が減少した原因は収入の増加、自動車の普及、電動自動車の優遇などいろいろ考えられますが、自動車の利用が大きく増加していることはデータからも見えます。
以下デンマークの1990年~2024年までの自動車走行キロ数の推移。
knallert30の基本情報
こちらは日本で言う原付にあたります。自転車道を走行するので、走行カウントも自転車と一緒に扱われます。
定義と特徴
- 最高速度が30km/hに制限された小型スクーター
- 黄色のナンバープレートが必須
- 15歳以上で運転免許が必要
- サイクリストと同じ交通ルールが適用
安全規則
- ヘルメット着用が義務付け
- 昼夜を問わずライトの点灯が必要
- 同乗者は禁止
- 責任保険の加入が必須
- 血中アルコール濃度制限0.5‰
利用状況
所有状況
- デンマークには約24万台のknallertが存在
- 人口33人に1人が所有している計算
- knallert30とknallert45(45km/h制限)で約半数ずつ
自転車の保有台数
- 総保有台数:約450万台(2019年時点)=自転車100に対して、knallert30が5
- 人口比:0.81台/人の保有率
走行距離元データ
https://www.vejdirektoratet.dk/side/trafikkens-udvikling-i-tal
自転車走行距離
År | Mia. km |
1990 | 3.43 |
1991 | 3.34 |
1992 | 3.4 |
1993 | 3.27 |
1994 | 3.34 |
1995 | 3.24 |
1996 | 3.06 |
1997 | 3.15 |
1998 | 2.97 |
1999 | 2.92 |
2000 | 2.92 |
2001 | 2.86 |
2002 | 3.02 |
2003 | 2.97 |
2004 | 2.82 |
2005 | 3.01 |
2006 | 2.97 |
2007 | 2.88 |
2008 | 3.04 |
2009 | 2.95 |
2010 | 2.62 |
2011 | 2.95 |
2012 | 3.05 |
2013 | 3.07 |
2014 | 3.27 |
2015 | 3.09 |
2016 | 3 |
2017 | 2.85 |
2018 | 2.88 |
2019 | 2.82 |
2020 | 2.87 |
2021 | 2.82 |
2022 | 3.06 |
2023 | 2.9 |