アルゼンチン ブエノスアイレス 自転車利用促進で安全・快適な街へ

アルゼンチン ブエノスアイレス 自転車利用促進で安全・快適な街へについての概要 2024年10月1日の記事 ブエノスアイレスの健康的なモビリティプロジェクト 背景:課題と解決策 ブエノスアイレスは、増加する車両数と交通渋滞、自転車や歩行者にとっての安全性の欠如、大気汚染の悪化といった課題に直面していました。「健康的なモビリティ」プロジェクトは、歩行者と自転車利用者のための安全な街路空間を整備することで、これらの問題に対処することを目指しています。これは、自動車を優先してきた従来のパラダイムシフトであり、人々を優先し、自転車と歩行を促進し、自動車利用の削減を目指すものです。 具体的な取り組み:インフラ整備と施策 プロジェクトの一環として、ブエノスアイレス市は、歩行者空間の拡大(7,735㎡の歩道拡張)、交差点の再設計による車両速度の抑制と安全性の向上、そして自転車専用レーン(30.5kmの両方向レーン、物理的な分離帯で自動車と隔離)の整備を進めました。 自転車レーンは年間140kmのペースで拡大する予定です。さらに、自転車シェアリングシステムの導入により、持続可能で健康的な交通手段の利用促進を図っています。 効果と成果 [...]

By |2024-12-21T21:49:34+09:002024-12-21|ニュース|0 コメント

デンマークの自転車走行距離の推移 1990-2023

デンマークの自転車走行距離の全体的なトレンド デンマークにおける自転車・原付(30cc以下)の走行距離は、1990年から2023年にかけて全体的に減少傾向を示しています。1990年の3.43億kmから2023年の2.90億kmまで、約15%の減少が見られます。   時期別の特徴 1990年代前半 最も高い走行距離を記録(3.43億km) 3.2億km以上の高水準を維持 2000年代 比較的安定した推移(2.8-3.0億km台) 2010年に過去最低の2.62億kmを記録 [...]

By |2024-12-10T23:26:09+09:002024-12-10|統計情報|0 コメント

デンマークの自転車道路工学ソリューションの紹介

デンマークの自転車向け道路設計(Vejtekniske løsninger for cyklister)について デンマークは自転車先進国として世界的に知られています。この資料では、自転車利用者の安全性と安心感を向上させるための、12種類の道路設計とその効果について解説します。これらの設計は、29のバリエーションに分類され、2020年から2021年にかけて行われた、デンマーク国内外における20年分の勧告、経験、評価に基づく広範な文献レビューに基づいています。 このブログ記事は、デンマーク語のPDF資料「Vejtekniske løsninger for cyklister」を日本語に翻訳し、要約したものです。 各設計の効果の表示方法 [...]

By |2024-11-25T01:35:56+09:002024-11-25|交通インフラ|0 コメント

デンマーク100年前の自転車インフラは?

世界トップレベルのデンマークの自転車インフラ。 100年前のデンマークはどうだったのでしょうか? 現在デンマーク国内で最も自転車通行量の多い、Dronning-Louises-Broの写真を見ながら比較してみましょう。 ここは1日に35000台の自転車が通行しています。   コペンハーゲン市の自転車通行量マップ。   2024年のDronning-Louises-Broの通勤ラッシュの朝8時ごろの様子。   [...]

デンマーク コペンハーゲン の世界自転車環境順位

どこの国、都市が一番自転車に優しいのか、気になりますが実際は難しく、デンマークとオランダはお互い世界一位と主張していますが、決着はしておりません。過去のデータだとコペンハーゲンがトップという物が多いですが、最新の順位データはありません。 ヨーロッパ域内、デンマークの各都市でさえ、インフラの定量的なデータが整備されていない状況のため、厳密な順位付けは不可能という前提があります。 ECF Cycling barometer そんな中で、比較的信頼できるデータが欧州自転車連盟 ECFが集計したECF Cycling barometerです。 最新の情報は2016年の物ですが、EU各国の自転車利用環境を総合的に調査して比較した結果があります。検証可能なEU全体の調査を5回実施し [...]

By |2024-11-24T01:06:23+09:002024-11-24|国際比較|0 コメント

デンマーク自転車連盟(Cyklistforbundet)について

デンマーク自転車連盟(Cyklistforbundet)は、1905年に設立された自転車利用者の権利を守り、自転車文化を推進するデンマークの非営利組織です。デンマークに在住して、連盟の活動にも参加している立場から紹介いたします。 組織概要 デンマーク自転車連盟(Cyklistforbundet)は、自転車を日常的な移動手段として安全に利用できる社会の実現を目指す唯一の交通関連組織です。公式発表では 約13,000人の会員を持つ非政治的な利益団体として活動しています。 主な活動目標 すべての人が安全に自転車に乗れる環境づくり 日常的な移動手段としての自転車利用の促進 より健康的で環境に優しい持続可能な社会の実現 具体的な取り組み より良い自転車インフラのためのロビー活動 [...]

デンマーク コペンハーゲンは自転車に優しいメトロラインと中央駅を計画中

コペンハーゲンは、自転車利用者にとってより便利で快適な都市を目指し、新しいメトロラインM5の計画を進めています。https://m.dk/vi-bygger-nye-linjer/mulig-udvidelse-med-m5/ コペンハーゲンの新しいメトロ路線M5の計画において、世界最高水準の自転車パーキング施設が提案されています。この構想は、自転車とメトロの連携を強化し、より持続可能な都市交通を実現することを目指しています。 主要な提案内容 1. コペンハーゲン中央駅の地下自転車パーキング デンマーク最大の駅であるコペンハーゲン中央駅に、大規模な地下自転車パーキングを設置する計画が進んでいます。この提案は、現状の不十分な駐輪スペースを大幅に改善することを目的としています[1]。 コペンハーゲン中央駅の現在の駐輪スペースはわずか1000台程度で、デンマーク国鉄でさえ正確な数を把握していない状況です[2]。これは、自転車先進国としてのデンマークの評判に反する状況といえるでしょう。 新しい計画では、地下に大規模な自転車パーキング施設を設置し、メトロや鉄道のプラットフォームへの直接アクセスを可能にすることが提案されています[1]。これにより、利用者の利便性が大幅に向上し、自転車とメトロの連携がより強化されることが期待されます。 2. 利用者に優しい駅設計 [...]

By |2024-10-18T19:34:07+09:002024-10-18|ニュース|0 コメント

デンマークの自転車通勤促進策 – 税制優遇で社会的利益を

デンマークは自転車大国として知られていますが、意外にも自転車利用を促進するための税制優遇策では他のEU諸国に遅れをとっているようです。デンマーク自転車連盟の理事会が2024年8月に採択した提言について、その内容を紹介します。 この提言は様々なメディアで取り上げられました。 自転車利用促進の社会的メリット 自転車利用が増えることで、社会に大きな経済的メリットがあることが指摘されています。 デンマーク産業連盟の分析によると、自転車利用が10%増加するだけで、年間25億クローネ(約500億円)の社会経済的な健康上の利益が得られるとされています。 交通省の試算では、1kmの自動車移動を自転車に置き換えることで、社会に8.39クローネ(約170円)の利益があるとのことです。電動自転車の場合は5.36クローネ(約110円)となっています。 これは、身体活動の増加による公共医療費の削減や、道路の渋滞緩和などによるものです。 デンマーク産業連盟によると、道路の渋滞による社会的コストは年間300億クローネ(約6000億円)以上にのぼるとされています。 企業の取り組み 企業や公共機関でも、従業員の健康増進やCO2削減に向けて自転車利用を促進する動きが広がっています。 [...]

By |2024-10-18T22:18:46+09:002024-10-18|ルールと法律|0 コメント

デンマークの自動車保有コスト

コペンハーゲンで車を所有するコスト デンマークは車の購入に関して世界で最も高額な国の一つです、さらにコペンハーゲンで車を所有するコストは、デンマークの他の地域と比べて高額です。 主な費用項目 ・登録税(afgift)は車両価値の25%~150% *電気自動車は2024年まで登録税の割引がありますが、その後段階的に廃止されます。 ・年間道路税(ejerafgift):車両のCO2排出量または燃費に基づいて計算 ・駐車料金 登録税(registreringsafgift) 登録税は国レベルで設定されているため、コペンハーゲンと他自治体で違いはありませんが税率は非常に高いです。(2024年時点) [...]

By |2024-07-14T21:11:47+09:002024-07-14|デンマークの生活|0 コメント

コペンハーゲンモビリティプラン2023 要約

はじめに 2023年に発行されたコペンハーゲンのモビリティレポートの内容の翻訳と、日本に住んでいる方への補足説明を含めた記事になります。 目的は日本の人々の移動を自由で安全にする社会を作るためにヨーロッパの知見を共有することです。 コペンハーゲンと聞くと大都市のように思うかもしれませんが、人口57万人 面積 95平方キロメートルの日本で言う市町村区レベルの規模になります。 以下人口60万人規模の自治体例。 静岡市: 人口 [...]

By |2024-10-18T19:33:16+09:002024-07-14|ルールと法律|0 コメント
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